契約不適合とは
「契約の目的物(商品やサービスの内容)に、品質不良や品物違い、数量不足、その他契約の内容に適合しないもの(※)があるとき」を指します。
(※)明示ないし黙示の合意内容あるいは契約を巡る諸事情から認められる契約の趣旨(目的)に照らして、目的物に本来あるべき品質等に適合しているか否かで判断されます。
契約不適合が認められると
買主(債権者)は、売主(債務者)に対して、①追完請求(目的物の修補・代替物の引渡し・不足分の引渡し)ができ、相当な期間内に売主が追完に応じない場合は、②代金減額請求、③損害賠償請求や契約解除をすることができます。
<食材に異物が混入していた事例>
ゴルフ場のレストランで使用するお米を、米の販売会社と売買契約書を締結し、個別契約で米を注文し購入していたが、納品分の1袋の中から砂利(1、2個)を発見し(お客様に提供前)、仕入先に問い合わせを入れ状況を伝えたところ、選別強化の回答があった。
以後も使用する前に目視で確認していたが、お客さまに提供したお米から砂利が混入していたと苦情を受ける。再度、仕入先に連絡をし、契約不適合責任を追及しようとした事案。
<その後の経過>
・当初仕入先から、返金対応はできない。交換対応はできるとの回答を受けたが、後日、仕入先担当者より、米の殆どが使用済みであるため、交換対応はできないと言われる。
・その後、法務部で契約書の内容を確認し、今回の場合、契約不適合に当たるので、交換あるいは減額(返金)請求できるとの認識を事業所と共有した。
・結果としては、2回目の砂利混入後、砂利が混入されることはなくなり、契約不適合を主張する場面はなかった。
<しておくべきこと>
①契約書を交わす際は契約不適合の条文を必ず確認しておくこと。
契約不適合責任の期間、返金、返品、交換等が対応できるかなどが記載されているか確認する。
②商品受領後(引渡時)すぐに検品を行う。
③契約不適合を発見した時は、必ず証拠を残すために写真を撮るなどする。
グループ共通の業者の場合は、統括責任者にも一報を入れるほか、グループでも情報共有すること。